プロフィール
日本人アーティストのちゅあのりこは、マレーシアを拠点に活動しています。日本、アメリカ、そしてマレーシアへと移り住んできた彼女の移民としての旅路は、文化や世界の「境界線」という微細な隙間から生まれる作品に、深い影響を与えています。現在はキャメロンハイランドの霧や森、花々に囲まれて暮らし、日々触れる自然の循環と遠い異国の記憶を重ね合わせながら、どこでもない「狭間(はざま)」にある美しい世界を描き続けています。

夏の一枚。
詩も絵も生まれる前、世界はもう物語で満ちていました。
作家ステートメント
Norico Chuaは、人間とそうではないものたちの世界の狭間を彷徨う存在を通じて、詩的な物語を紡いでいます。異なる文化の境界線上で生きてきた移民としての自らの歩みを原点に、彼女の作品は「狭間に生きる」とはどういうことなのかを静かに探求しています。詩と絵画が分かちがたく結びついた表現を通して、アイデンティティの脆い境界線、記憶、喪失、そして変容の姿を捉えます。
彼女にとって、異形の不思議な生き物や超現実的な風景を描くことは、現実からの逃避ではありません。それは、境界という場所に生きる者にとって、最も自然な心の現れなのです。作品に繰り返し現れる星や月、静かな森、遠い王国、そして花々は、単なるファンタジーではなく、私たちの内なる葛藤や孤独、複雑なアイデンティティがそっと息づく感情の風景です。
彼女の世界の住人たちは、作家自身の足跡の投影であり、同時に、不確実で暗い世界を旅する私たち人間の姿そのものでもあります。彼らは英雄でも救世主でもなく、境界線の上に佇む、不完全で愛おしい存在です。彷徨い、もがき、愛し、失いながらも、歩みを止めません。その静かな旅路を通じて作品が抱きしめるのは、私たちが抱える脆さと、自らの傷を受け入れた者が放つ柔らかな強さです。心の中に暗闇を抱えたまま、それでもどうやって生きていくのか。彼女の作品は、その途上で見出される小さく尊い光の瞬間を、私たちに教えてくれます。
主な展示歴
2024
セランゴール国際ブックフェア
MBBY(クアラルンプール/セティアシティ・コンベンションセンター)
グループ展
2022
Power of Stories
MBBY(クアラルンプール/プトラジャヤ・コンプレックス)
グループ展
2020
「YOKAI NEIGHBOURS」
AG Gallery(アメリカ・ニューヨーク、ブルックリン)
グループ展
2020
マラヤ大学グループ展
Universiti Malaya(クアラルンプール)
出版
『てんごくまでとどくケーキ』(マレーシア、2013年)
2015年 マレーシア版再刊
2015年 フィリピン版刊行
2018年 韓国版刊行
『マフィンとやさしいおおかみにんげん』(マレーシア、2014年)
『ひのライオン みずのライオン』(マレーシア、2015年)
『ロケットいもむし』(マレーシア、2017年)
『たけとりものがたり』(マレーシア、2017年)
詩画集『無処国 – Nowhereland-』(マレーシア、2021年)
『ひのライオン みずのライオン』マレー語版(マレーシア、2021年)
メディア掲載・活動
2014
マレーシア紙『The Star』掲載
2018
シンガポール『UNLOCK JAPAN』インタビュー掲載
2020
『Artbook of Selected Illustration(105 Illustrators)』選出
2020
マレーシア『SENYUM』インタビュー掲載
2020
CitiPlus FM出演
2022〜現在
マレーシア『Sin Chew Daily』にてSHIIGAコラム連載開始
2022
ASTRO AEC ドキュメンタリー『Malaysia in Their Eyes』出演
2022〜
Sin Chew Daily Webドキュメンタリー『So Here I Am』出演
